【13ROMA留学エッセイ2010-07b】 姉弟とめぐる南イタリア旅行「ローマ二日目編」
 第13回イタリア留学エッセイの2章目です。初回「姉弟とめぐる南イタリア旅行・プロローグ、ローマ編」は、コチラ。前回エッセイ「国際結婚のさまざまなかたち」は、コチラ。今回もローマ観光の詳細やお得情報話が続いています(次回こそはプーリア・バジリカータ旅行編に行きます)。旅の参考にもどうぞ!
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 観光一日目にして、早くも暑さと疲労でギブアップを叫びたいところだったが、この日はどうしてもコロッセオ周辺を鑑賞しなければならなかった。前日の観光は、ローマを観るというより「ヴァチカン市国観光」状態だったのだ。そして本日中に主要のローマ観光を気合で終えなければならなかった。翌日から、南東イタリア旅行がはじまる。朝から無理やり弟を起こして準備させた。コロッセオはマリナの家から、かなり近い。

 昼前についたコロッセオは、すでに長蛇の列であった。今日中にできるだけ多くの行程をすませておきたかった私は、少し高額ながら列を気にせず観光できるローマパスを購入した。このパスは、交通網が三日間無料になるフリーチケットと二箇所のミュージアムが無料になるチケットがついている。コロッセオの入場料は元から高いので、もう一箇所料金設定の高いミュージアムにいけば元は簡単に取れる。ローマのお得な観光周遊チケットである。

 夏のコロッセオ観光は地獄だ。ヴァチカン市国観光と違い、鑑賞物がほぼすべて青空の下、野ざらしにされているからである。しかも、鑑賞する建築物はローマの象徴というべきコロッセオだけではない。その向こう側にある丘の遺跡群、パランティーノとフォロロマーノも観なければローマ帝国の中心部が把握できたと言えないのだ。以前マリナと二人で、この一帯をじっくり観光したときの所要時間は4時間を軽く越えていた。駆け足でも2時間以上かかる観光スポットである。そうした場所の観光を、炎天下で行なうのはごめんである(しかも何度も行っているのである)。

 弟をコロッセオに放った私は、彼が観光を終えるまでバールで読書を楽しんだ。内容は「ラテン語の成り立ち」についてだから、コロッセオ周辺で読書するにはちょうどよい代物だ。もちろん日本語のものである。イタリア語を学ぶにあたって、この源流であるラテン語に興味を持ったのだ。現在は日常でほぼ使われていないが、学べば得をする言語でもある。

 さて、二時間ほど経って確認の電話をすれば、思いのほか早く彼は「もう観終わる」と言った。彼の発言から、私も出口のほうへ移動した。しかし、その後「出た」という連絡は一向に来なかった。迷子になったのではないかと、姉らしくもう一度電話をする。事情を訊けば「終わったと思ったら、まだ続きがあった」とのこと。それだけで彼のいる位置がなんとなくわかる。パランティーノは観終え、フォロロマーノ鑑賞がはじまったのだろう。彼は、ここまで遺跡群が広いとは思っていなかったようである。世界屈指の観光地をなめてはいけない。

 痛いほど差す日光を受けながら行なう観光は、気をつけなければ簡単に脱水症状を引き起こす。三時間ほど炎天下で遺跡を鑑賞して帰ってきた弟を一時木陰で休ませてから、遅い昼食に向かった。昨夜、手前まで行ったトラステヴェレだ。昼時を過ぎてしまっていたこともあり、中休み(シエスタ)のはじまったトラステヴェレは静かなものだった(下町の店は、午後2時~5時くらいまで休憩時間にはいることが多い)。

 軽い昼食をとり、下町を歩いて、そのままテヴェレ川沿いを歩く。日光にさらされながらの観光はひじょうにしんどいが、見せなければならないものはたくさんあった。ひとつはサンタンジェロ城の全景だ。ついで、中心街へ向かうため小道を歩き、目に付いたジェラート屋で休憩。そうでなくても、ローマは水が豊富な街だ。飲料水が道端の至るところに配備されているから脱水症状はかろうじて免れる。

 そして、ナヴォーナ広場を眺めた後、パンテオン広場へ向かった。巨大なパンテオンは日中しか内部を鑑賞することはできない。しかし無料なのでおすすめの観光スポットだ。弟はこの現存する巨大な神殿に感動していた。気持ちはわかる。私もこのパンテオンはとてもお気に入りである。

 さて、ローマといえば、いたるところにあるのがバールとカフェテリアだ。バールのほうが圧倒的に多く、そのどれもが少し長居のしにくい個人商店の赴きがある。しかし、こうしたスポットで楽しいのがバーテンダーとのやりとりだろう。特に彼らに余裕があって、かつイタリア語が少しでも話せると会話が生まれる。パンテオン周辺でも休憩と称して最寄のバールに立ち寄ったが、たまたまバーテンダーさんが日本に興味のあるひとだったのか、雑談することができ、つまむお菓子をいくらかいただいた。現金なものだが、こういうときにイタリア語勉強していてよかった、と、心から思えるのである。

 心の和むブレイクをすませると、次はこれも昨夜行ったポポロ広場を目指す。元々予定にいれるつもりのなかった行程だが、ローマパスを買ってしまった手前、もうひとつミュージアムに行かなければならなくなった。ローマには山のような数のミュージアムがあり、どれも個性がある。弟に古代美術が好きか現代美術が好きか、考古学関係が好きか選ばせ、結果として現代美術の集まるミュージアムへ行くこととなった。

 しかしその美術館は、中心部の北よりを被うボルゲーゼ公園の中腹にある。トラステヴェレと正反対にある場所だが、とても見ごたえのある美術館であることは確かだ。入場最終時刻ぎりぎりだったが、なんとかトラムをつかまえ入場することができた。弟が鑑賞している間、私は本日最後の行程に安堵しながら読書を再開する。

 この日の帰宅は早く、21時前には家の前に着いていた。これには理由があった。ステイ先のマリナに夕食を頼んでいたからだ。グルメな弟には、なるべくその土地の名物料理を食べて味を覚えてほしかった。しかも、私がステイするマリナのおいしいイタリア家庭料理を味わってほしかったのだ。

 夕食に頼んだパスタは、カーチョエペペ。あまり知られていないが、トマトを使わないラツィオ州の定番料理だ。ペコリーノロマーノという羊のチーズと黒胡椒、そしてスパゲッティの3品しか材料で使用しない。シンプルだがとてもおいしいパスタである。

 マリナはこれに、タコのサラダやツナと野菜のライスサラダ、魚の卵を乗せたパンを用意してくれた。必需品のワインは白で、ラツィオ産と粋なはからいだ。ラツィオ州づくしの夕食は、ローマのどこのレストランよりもおいしく、なにより味付けが日本人好みに薄くさっぱりとしていた。弟は、その夕食からすっかりマリナの味に惚れ込んだようで、帰国するまで「マリナのご飯がもう一度食べたかった」と、嘆いていた。そうしたマリナの心意気に、本当に感謝してもしきれない私がいるのである。


◆続きの【エッセイ13-3(7月前半編)】は、随時更新予定。今回もローマ編だと思わなかった私……次回こそは、南東イタリア旅行に移ります!
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by gosuiro | 2011-07-17 02:03 | ROMA留学エッセイ | Comments(0)


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