【18ROMA留学エッセイ2010-09d】 リグーリア州を散策しよう「ジェノバ編」
 イタリア留学エッセイ第18回目は、リグーリア州(ピサ・チンクエテッレ・ジェノバ)の旅行記の前・中・後。今回は後編のジェノバ編です。後日、旅行道中に関する補足(特に食事場所など)をUPいたします。
 中編の「リグーリア州を散策・チンクエテッレ編」はコチラ。前編の「リグーリア州を散策・ピザ編」はコチラ、前回エッセイ「他言語から見た日本語のおもしろさ」のリンクはコチラです。

b0206901_21264161.jpg
  
 ティレニア海に沿ってリグーリア州をめぐっていた最終日の朝は早い。ジェノバ行きの列車に乗るためだ。九時頃ホテルをチェックアウトして、港町ラ・スペツィアに別れを告げる。鈍行列車で二時間近くかけ北上し、目的地ジェノバへ向かった。

 乗車中は細かい雨が降っていたものの、ジェノバは晴れ模様だった。しかし、思っていたよりも寒い。9月下旬ではあるが道行く人々に半袖の人は少なく、ジャケットや薄手のコートを羽織るのが当然という感じであった。

 予約していた格安航空の搭乗時間は19時半である。それまでにジェノバの観光を終えなければならない。幸いジェノバの空港は中心部に程近い。空港に向かうバスを確認して、まず昼食場所を探すことにした。

 ジェノバに来た一番の理由には、「ジェノバで、パスタジェノベーゼを食べる」ことがあったからだ。

 おいしいジェノベーゼのパスタが食べられるところを吟味して、イタリア語のガイドブックにあったトラットリアに入る。中はすでに地元のひとであふれていた。ジェノベーゼ、というよりは、ポテトと野菜や米のトルタ、ファリナータと呼ばれるポテトと小麦粉だけを使ったパイなどを専門にした店のようで、その盛り合わせとスパゲッテイジェノベーゼにワインをつけて頼んだ。前菜はおいしかったが少々しつこかった。そして、期待の一品である本場のジェノベーゼはたまらなくおいしかった。オリーブオイルも質が良く、さらりとしていてジェノベーゼソースを引き立てていた。粉ものとポテトがメインの昼食に、北イタリアに着た実感が増す。

 ジェノバという街も、ヨーロッパの先進的で洗練された街並みとひとつといえた。中世からの建物群もしっかり残されている。今も世界に誇る海運都市ということで、なんとなく危険な風情を予想していたが、良い意味で裏切られた。そう私が思うのは、もうひとつ有名な海運都市、ナポリを知っているからだろう。ナポリはゴミ問題で有名になった通り、街はまったく綺麗ではない。洗練、という言葉から一番ほど遠い。車や人がやかましく、排気ガスもすごい。そしてひったくりなどがイタリア一多く、かなり危険な街として有名でもある。カオスという言葉が似合うのだ。ローマと同じく、毎日がアドベンチャーといったナポリのノリは、案外嫌いではない。

 しかしこの北の海運都市は、そうした風情がこれっぽっちもなかった。車が通れないような入り組んだ路地も多く、バールとお酒を夜遅くまで提供するバーを兼ねているところが多そうだったことから、夜は少し危ないかもしれない。しかし、そこはローマも似たようなものだ。ヨーロッパというより、最早アフリカ大陸に近いローマに住んでいるせいか、ジェノバはとても素敵で快適な街と感じた。とても住みやすそうに見えるのだ。おそらく私が住んだら、半年くらいで飽きるだろう。けなしているようだが、褒めているのである。

 食事前にフェッラーリ広場を通過し、食事後はガリバルディ通りを目指す。2005年ユネスコ世界遺産に登録された貴族の館が連なる通りである。美術館になっている屋敷が三カ所隣接し、入場料は8ユーロ。有名な天才画家、カラバッジョの絵画も置かれているということで、行くことにした。

 装飾の素晴らしいガリバルディ通りを進んで、チケットストアで入場券を購入してから、鑑賞をはじめる。屋敷の美術館は思った以上に広かった。駆け足で見て、三屋敷二時間以上要した。最後の屋敷は屋上の展望台まで行くことができ、そこからの景色は格別だった。ひしめきあう周囲の屋敷の中で、その展望台は一番高い位置にあったのだ。さえぎることなく海まで見える街並みに感動した。ますますジェノバに好印象をもったのである。

 十分満足した私たちは、アクアリウムなどのスポットが集まる海まで赴いて行程を終了した。地下鉄に乗って、空港までのバスが通う停留所へ向かう。乗車時刻まで、居心地の良さそうなバールで過ごした。ジェノバは本当に、居心地のよさそうなバールが多い。

 一方、ジェノバ散策の間に、二度ほどジェラート屋にはいったが、どのジェラートもミルクの味が濃いように感じた。ローマではフルーツ系のジェラートはミルクを使用していないものも少なくない。ミルクが使われると、フルーツの味がごまかされたように感じるのだ。クリーム系のジェラートは、ミルクが濃厚であるほうがおいしいかもしれないが、フルーツ系のフレーバーが好きな私は、残念ながらローマに軍配をあげた。

 バールでのんびりして、ジェノバを後にした。空港も使い勝手がよく、格安航空会社は遅延が多いものの、この日は飛行機はスムーズにローマへ帰ることができた。格安航空会社は座席が自由席だが、数時間乗る程度ならば問題ない。時間余裕があってハプニングも楽しむ心の余裕があれば、是非おすすめしたい交通機関だ。なにより信じられないほど航空チケットが信じられないほど安いのだ。

 さて、ローマの空港から、家に帰る途中の列車はあいかわらずゴミが散乱して汚かった。ジェノバではこんなことはなかった。汚れて雑然としたところが、ローマに帰ってきたと思える点でもあるが、ここだけはせめて少しくらい北イタリアに見習ってほしいと思ったものである。


◆【エッセイ19(10月前半)】は、11後半更新予定。タイトルは「異国に住んで感じる、所在のなさ」です。
[PR]

人気ブログランキングへ にほんブログ村 海外生活ブログへ   ☆★☆ブログランキング・WEB拍手に参加中です。ポチッとご協力お願い申し上げます☆★☆
by gosuiro | 2011-11-06 21:30 | ROMA留学エッセイ | Comments(0)


<< 小説更新のお知らせです 【18ROMA留学エッセイ20... >>