イタリアの料理は太る云々としつこく言っている私ですが(笑)、それでもイタリア食材で大好きなものもあります。それも、基本的にイタリアでしか食べられない食材。
それが、写真一枚目の不思議な感じの食べ物。カルチョーフィ Carciofiです。英語名で、アーティチョークと呼ばれ、日本名ではチョウセンアザミです。日本では食用にならない品ですが、おそらく分類は野菜だと思います。 写真を見たかぎり、一体どこを食べるのかまったく検討のつかない形状なのですが……これが案外大きいんです。茎の上に頭の部分がありますが(花を咲かせるつぼみだったはず)これが女性の握りこぶしくらいの大きさです。そのため、けっこう重い。しかし、食べられる部分はすごく少ない。 そのため、食べられるように処理するのがこれまた大変なんです。まるで骨の多い魚をさばいている感じです。私の周囲(イタリア人含む)で、わざわざ生からさばいていく人はマリナと私以外で知りません(苦笑)。私は一度食べてハマり、早速マリナからさばき方を教わりました。 というわけで、今回はそうしたカルチョーフィのさばき方です(笑)日本のどこで使えるんだ! という話ですが、大丈夫。私の実母から、近所の川の側に生えていたという情報をゲットしたので、野生ものを探して食べることが可能です。日本にも自生しているなら、さばけば食べられる! そこまでするのか、という話ですが、私の性格上確実にします。だって面白いし美味しいし、日本で生を食べられるなんて奇跡!(今その川は工事で、カルチョーフィがなくなっているらしい。なんだか悔しい)。 さて、食べる部分は基本的に頭の部分のみです。それが写真の二枚目(特に左側。右側はまだ処理の途中でもっと切ります)。すでに一枚目とはまったく似つかない状態になっています……。 実は頭の部分でも食べられる箇所は、茎と接する頭下半分のみ。花の顎部分を食すのです。カルチョーフィの処理前はとても皮(緑で覆われたところ)が硬いので、かぼちゃの皮をはぐように剥いていきます。かなりの手の運動になります。クリーム色の中身がそこが、食べられる柔らかい部分。到達するまでに、ものすごい廃棄量の皮がでます(苦笑)。 しかし、処理はこれで終わりではありません。中央の紫色の部分は毛のようになっていて、食べることができません。よって、これも取り除く必要があります。 それが写真三枚目。右が処理前、左が処理後です。もう食べられるところがほとんどない(苦笑)。あれだけ大きなものなのに、食べられる部分はこんなにも少ないのです(この写真は処理しすぎなところもあるので、普通はもう少し食用部分があります)。消費時間・ゴミ量・労働量のわりに、得られる食用部分があまりに少ないです。日本でいうところの、完全なる時間の無駄! でも、美味しいから私はがんばってさばいていました。 日本でも、輸入食材屋さんで「アーティチョークのオイル漬け」としてビン詰めが売られています。そうしたのは、そのまま食べたりサラダなどにあえるのが一番ですが……生はイタリアでも自分でさばかないと食べられないんですね。しかも、カルチョーフィは生食できます。写真三枚目でつくった食用部分をスライスして、そのままサラダに入れて食べるのもおいしいんです。 生食用にさばかれたものが売られていないのは、カルチョーフィはすぐ茶色っぽく変色してしまうからです。たくさんの油で炒めたり、オイル漬けにしないと持たないんです。 そのため、さばいている途中は変色を防ぐために、レモン汁の入った水につけておきます。ちょうど、写真四枚目の右上がその容器です。ただ、水につけたまま長時間持つのかというと、これも微妙……レモンの風味がカルチョーフィに移ってしまうため、カルチョーフィの本来の味が消えるんです。さばいた分はその日のうちに食べるか調理が必要という、なんとも面倒な食材なのです。普通に食べるのならば、ビン詰めを買って食べたほうが無難ですね。でも生が一番うまい。 ちなみに味は……なんて言えばいいのかわかりません! トリュフってどんな味? と訊かれるのと同じくらい、日本にない独特な味です。比較的日本でも安価に手に入るので、「アーティチョークのオイル漬け」を探して購入してみてください。私的には、ポルチーニよりも好きです。というかあのキノコよりも、この面倒な食材のほうが不思議な魅力があると思います。 10月から4月までが、カルチョーフィのでてくる季節。特に、11月と4月はカルチョーフィが硬くなくて美味しい時期とされています。本当においしいので、イタリアでも日本でも一度食べてほしい食材です! ☆★☆ブログランキング・WEB拍手に参加中です。ポチッとご協力お願い申し上げます☆★☆
by gosuiro
| 2012-04-10 22:51
| おいしいレシピ紹介
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by naka_aika カテゴリ
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