家庭的なイタリアの食材で、一番ポピュラーな野菜はこの八百屋さんの写真右下にあるもの。看板のついた白いボテッとした山盛りお野菜。フィノッキオ Finocchioです(ちなみにこれはシチリア産)。
この野菜屋さんは特別安いところで、看板どおり一キロ0.99ユーロ!(ちなみにフィノッキオ2個分くらい)。日本で国産のフィノッキオを見つけたことがあるのですが、……600円くらいしていました。イタリアではこの値段売っていると知っていれば、かなり気合を入れないと手を出せない(苦笑)。でも、イタリア知るには(特にイタリアが好きならば)一度は試しておいたほうがいいです。 さて、このフィノッキオですが、味についてコメントしようにも、あまりに特殊でなんといえばいいのかわかりません。フィノッキオはイタリア語名ですが、一般的にはフェンネルといわれています。ハーブのフェンネルと同じですが、こちらはタイプが違って根の部分を味わうもの。日本名では漢方で使われるウイキョウです。ハーブや漢方で使われるガッツのある味だと思えば……。 やっぱり味が近いのは、セロリかなあ。セロリを10倍しつこくしてハーブっぽくした感じといえばいいのでしょうか。私はイタリアに住むまでセロリが大嫌いだったのですが、フィノッキオに出会って、セロリが普通に食べられるようになりました。セロリなんてかわいいもんです。 マリナに「これおいしいわよ! 整腸にも効くし!」と言われて最初食べたとき、……味のキツさに吐くかと思った(笑)。それから当分の間はフィノッキオが大嫌いになっておりました。が、イタリア料理のしつこさに胃腸がやられ、整腸によく効くフィノッキオ(ハーブティーでは整腸作用としてよく知られています)を薬代わりに食べるようになってから、あら不思議。大好きな食べ物になりました。 ただ、何度食べても受け付けない味だという人も多くいます。私の実母がセロリ好きで「フェンネルなんて、セロリに毛が生えたような味でしょ」と言っていたにも関わらず、実際食べさせたら「これ無理!」と、一切れで断固拒否されたという……とりあえず、私がイタリアで知り合った日本人で、フィノッキオが好きという方にであったことはありません。フィノッキオだけは食べられない! は、けっこう聞いたんですが(苦笑)。 そんなことを知ると、こんなクセのあるものを試し買いする勇気はそがれてしまうかもしれませんが……食べ切れなかったらミネストローネのセロリの代わりにするとか、料理面で食べやすい活用法もあるので大丈夫です(スープにするとクセはたちまち消えます)。食べてみないとわからない味なので、是非一度試してほしいと思います。甘草とかディルとか好きならいけるかも。 さて、フィノッキオの詳しいかたちについて。二枚目の写真です。白菜の白い部分のように、きれいに折り重なっているのが特徴です。タイプとしては球根に近いのかな。水分量が多く、喉が渇いたときや夏バテのときでも身体にやさしいです。セロリっぽい縦筋がわずかにあります。 そのフィノッキオのもっともポピュラーな食べ方ですが……セロリと同じで生。一枚一枚剥くときも縦から裂けていくのでナイフはなくても食べられますし、味はフィノッキオ自体が強烈なので基本的にディップもいりません。それこそ生の野菜サラダのときは、味をつける香辛料みたいな感じでスライスしたフィノッキオを加えます。 もしナイフで切って食べる場合は、写真三枚目のように縦筋と垂直に切っていきます。横に切ったほうが風味もよくなるし食べやすい。サラダにもあえやすい。写真のものは、そのまま食べるということで太めに切っています。 食感は瑞々しくボリボリ歯ごたえがあります。イタリアの食べ物で、こうしたボリボリするようなものって意外にないんです(弾力があったり、調理してもくたくたになるまで油で炒めることが多い)。ボリボリしたものが食べたいときは必然的にフィノッキオ……というか、味よりも食感をまず好きになりました。 あとは、どれだけ食べてもヘルシー。そしてどれだけ食べても胃がもたれないのが素晴らしい! マリナと食べ過ぎの日々を送ったときは、一食をフィノッキオだけでひたすらボリボリされていたという。栄養価も高いです。イタリアに住んで太ったと感じた際は、フィノッキオとトマトの一食置き換えサラダダイエットがおすすめできます。両方何もつけなくてもおいしいし、イタリアは何かつけるときかならず大量のオリーヴオイルを使用以下略。でも、ずっと同じ味は飽きる。フィノッキオにつけるものとして、おすすめなのはバルサミコ酢です。それにわずかな塩とオイルを入れてもよろしいです(特に熟成されていないバルサミコ酢の場合は入れたほうがいい)。 今回食べたのは写真四枚目、フィノッキオとバルサミコ酢(しょうゆではないですよ。色は似ていますが)。フィノッキオの香りはそのまま臭み消しにもなるので、葉や使いきれない部分は魚料理に使用されます(ちなみに肉料理はローズマリー)。加熱するとクセが消えて食べやすくなります。が、あの独特な味わいがフィノッキオの醍醐味なのでもったいないというか……やっぱり生が一番。イタリアに旅行などの際はスーパーなどですぐに見つかる野菜でナイフ不要、生で食べられるというものですから、是非食べてみてくださいー。 ☆★☆ブログランキング・WEB拍手に参加中です。ポチッとご協力お願い申し上げます☆★☆
by gosuiro
| 2012-11-27 22:24
| おいしいレシピ紹介
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Comments(2)
Commented
by
masako
at 2018-05-16 01:08
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Ho mangiato finocchio tanto a Roma in aprile. Non è troppo cattivo gusto, si può mangiare in modo di Tempura. E si può mangiare come sottaceti.
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Commented
by
gosuiro at 2018-05-18 02:34
Ti ringrazio per il tuo messaggio!
改めて、ありがとうございます。日本語で失礼いたします。 フィノッキオをてんぷらやピクルス(漬物)にすることは考えたことがなく、食べてみたいと思いました!生よりもクセがなくとても美味しそうです。また、四月のローマといえばカルチョーフィが美味しい最終季節ですので、大変羨ましく懐かしく感じました。素敵なこと、教えてくださりありがとうございました!
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by naka_aika カテゴリ
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