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イタリア語から英語を学ぶ(参考書つき)
イタリア語から英語を学ぶ(参考書つき)_b0206901_21261160.jpg 日本語から外国語を学ぶ、というのは日本人にとってごく自然な学習法です。が、逆にひとつの外国語を根詰めて学んで使えるようになると、日本語を経由せず外国語から同系統の新たな外国語を学んでいく(たとえば、イタリア語から英語を学ぶ)スタイルのほうがやりやすいことに気づきます。

 特に欧州の言語は、ロシア語やギリシャ語でないかぎり、ある程度はアルファベットを元にした文字を使います。イタリア語も根幹にはラテン語とギリシャ語があって、同じくそこから派生している英語もラテン語由来の単語が多く、実際イタリア語を学んだことで、以前に比べ知らない英単語について「イタリア語のこの単語に似ているから、たぶん意味はそれと同じだな」と推測できますし、けっこうそれで正解であることもしばしば(たとえば、英語で「Simple」は、イタリア語で「Semplice」。語源となったラテン語は「Simplex」)。

 というわけで、前のエッセイ(リンクはコチラ)が「イタリアで出会う英語」だったので、今回は補足展開して「イタリア語から英語を学んでみる」お話です。語学の細かい話をしているので、つまらなかったらごめんなさい(苦笑)。
イタリア語から英語を学ぶ(参考書つき)_b0206901_21371935.jpg まず、前置きとして、……私は英語が大の苦手でした。大のアルファベット嫌いだったので、生きていることが辛いくらい苦労しました。そのくらい語学にたいして脳のスペックが残念だった私でしたが、人生でこれほどにないくらい本気をだしてイタリア語脳を少し定着させることができました。人間やればできる。だから、皆も本気だせば外国語くらい話せるようになれます(笑)。

 で、イタリア語を学んでから痛切に思ったのは「英語って発音さえどうにかすれば、文法自体は簡単かも?」ということでした(笑)。英語が世界基準の公用語になる理由を、非英語圏の国に住んで思い知りました。さらに、日本語から英語を学ぶよりも、イタリア語から英語を学ぶほうが理解しすいことにも気づき、イタリア版「英語の学習本」というものを集めるに至ったのであります。

 その本たちが、写真一枚目。左から英文法の参考書、英語の動詞表、イタリア語と英語双方明記されたビジュアル単語、立てかけてあるのはイタリア→英語の旅行会話集です。こういった語学の勉強本に関しては、あまり日本語のものと変わりません。
イタリア語から英語を学ぶ(参考書つき)_b0206901_21265412.jpg 中身はというと、英文法の本では写真三枚目のような感じです。このページは SIMPLE FUTUROなので「シンプルな未来形」の文法についてです。イタリア語の未来形は動詞が全部活用変化(さらにあわせて人称も変化)するので、覚えるのが超大変。でも、英語はWill+動詞だから楽ですねー。

 このことはイタリア語の英文法書でも、三枚目写真の下部分に青字で書かれております。Soggetto(主語)+will+Verbo(動詞)+Complemento(目的語)です。イタリア語もつくりはSoggetto(主語)+Verbo futuro(動詞の未来形)+Complemento(目的語)なので文法の形態は英語とほぼ同じ。イタリア語から英語に変換すると、日本語よりしっくり当てはまるので覚えやすいんです。一方、日本語の文法は異なりSoggetto(主語)+Complemento(目的語)+Verbo(動詞。未来形変化なし)となります。これが苦手になる元。そもそも時節が細かくない日本語です。未来形と現在形にわざわざわけなければならないという、日本語にない発想を身につけるのも重要になります。文法ルールがまったく違うんだから、まあ私も英語嫌いにもなるわ。
イタリア語から英語を学ぶ(参考書つき)_b0206901_214415.jpg イタリア語と英語は、文法と時節がある程度似ていて使用文字もほぼ同じローマ字です。他の欧州の言語でも大抵似たり寄ったりなので、そりゃ欧州のひとが四カ国語軽く話せるようにもなるさ! と、思うわけであります。

 語学学校にけっこう悔しくも感じたところですが、欧州系の方々はいとも簡単にイタリア語を習得されていきましたね。母国語と重なる部分が多い他言語は覚えやすいようです。日本語はその点、超不利。英語を身につけるのが大変なのは仕方がない。でも、日本語脳とアルファベット圏の言語脳を両立できるようになれば本当に強みになります。

 さて、この中、私が購入したイタリア語版の英語学習書で、一番気に入っているのはイタリア語→英語の動詞活用帳です。イタリア語は大量の動詞がありますが、英語は単語数が少ないぶん前置詞で動詞の意味が細かく変化していきます。私が英語の動詞をまったく理解できなかったのはこの点です。これがイタリア語経由だと解消されることに感動しました。
イタリア語から英語を学ぶ(参考書つき)_b0206901_2127628.jpg たとえば、写真五枚目。日本語の動詞で「読む」と意味する、To read。イタリア語でLeggereといいます。写真を訳すると、

・to read back = rileggere 「読み直す」
・to read for = leggere(con uno scopo) 「(目的に向かって)読む・調べる」
・to read into = dare un'interpretazione di 「解釈する」

 みたいな感じです(たぶん)。日本語よりイタリア語のほうが英語と動詞の使い方が近いですし、単語自体関連している部分もそれなりにあるので、正しく動詞の表現を理解するのに参考となります。

 他にも、ラスト写真にあるのはビジュアル英単語+伊単語の中身。写真の見せかたがうまく、わかりやすいので初期から重宝しました。日常のあらゆるものの写真に読みかたが書いてあるので本当に助かります。日本と生活環境も違うので、これで欧州で日常使われる道具とか食材とかも学ぶことができます。こういう単語帳は旅行先で買い求めても損はないと思います。

イタリア語から英語を学ぶ(参考書つき)_b0206901_21271593.jpg 今の私がつたないながら英語を使うときは、日本語→イタリア語→英語と経由させています。イタリア語というワンクッションが入ったおかげで、英文法がだいぶ簡単に感じられたし、英語の仕組みを理解できたという意味では本当にイタリア語を学べてよかったと思います。個人的には、日本語から英語を学ぶより、日本語から英語以外の欧州言語を学んだ上で、英語を勉強するパターンのほうが理解度も増すし言語にも深みがでるような気がしてなりません。

 というわけで、とりあえず英語は必要だと思うけど苦手だというひとには、まずイタリア語の勉強をおすすめしておきます。発音は日本語と大きくかわらないので楽ですよ。動詞活用と文法えらいこっちゃだけど(笑)。

 後日、私のイタリア語勉強の話でもしようと思います……(まだこれからも旅行記とかお菓子屋とかいろいろ書くことはありつつ、どれも今後UPしていくのでお楽しみに! 間に差し込んだ写真は、英語習得の必要性を痛感したドバイの一コマです)。

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by gosuiro | 2012-12-17 21:52 | 語学にまつわるお話 | Comments(0)


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