今回はイタリア語の言い回しの面白さと多言語の相違(特に英語との違い)についてです。個人的な見解が多少あるので、詳しくは身近なイタリア語講師さんとか達者なお方へどうぞ……。
早速ですが、イタリア語って難しいですよね。私は語学全般が大嫌い(現在進行形)なので本当に大変でした。この難しいと思わせるひとつが『言い回しの多さ』です。 たとえば、質問したときの解答に対して「あっています(正解です)」という返事をするとき……イタリア語で使われるのは、Esatto(エザート)、Certo (チェルト)、Corretto(コレット)、Giusto(ジュースト)、Chiaro(キアーロ)、Vero(ヴェーロ)とか山ほど、普通にOKも有り。わざわざ長い単語、Esattamente (エザッタメンテ)なんて使う人もいます。 つまり、言い回しがたくさんあるんです。 最初は、それらが全部同じような意味だなんて知らないじゃないですか(笑)。語学学校の先生が「正解!」って言うとき、いっぱい種類があるんだ!と気づいた日から、私はイタリア人の相槌や短いけれど多様に言い回しがあるフレーズを覚えることにしました。 例をいうと「確かにそうよ!」みたいな相槌。Sicruramente(シクラメンテ)、Sicoro(シクーロ)、Certo(チェルト)、Certamente(チェルタメンテ)、Esattamente(エザッタメンテ)とかとか……色々あるんです。ちなみにマリナはこの中でCertoを頻繁に使っています。マリナの知り合いさんはEsattamenteをよく使っていました。私もマリナの口癖が移ってCerto!って言っちゃいます。 さらに段階的なものもあって、「本当に?」という意味合いだとVero?(ヴェーロ)。「マジかよ!」はVeramente!(ベラメンテ)。「考えてもみなかった!」はNon pensavo(ノン・サペーヴォ)。「マジイケてるわ!」はChe fico!(ケ・フィーコ)=It's cool!。 上記のように細かく色々ありまして……ニュアンスの話になるとキリがないというか、もうイタリアに住んで現地の人たちと交流しながら体得するしかない(笑)。 この言い回しは、人それぞれなんです。その人の話し癖と状況次第なので、どれが正解というのはありません。辞書で翻訳すれば、けっこう答えは一つですけどね……それが事態をややこしくしているのだと思いますが(仕方ないけど)。 もしイタリア語を教わるならば、最初は一人の方に徹底して教わると決めて、その人の話し癖を把握してから、別の人の会話を言い回しあわせて聞き分けていくとしたほうが……混乱しないかもです。 で、いろんな言い回しを気分や状況で使い分ける楽しさに気づけば、イタリア語が楽しくなります(現地人っぽくもなります)。ここが、英語との違いかもしれません。イタリア人の方と仲良くしていた時「英語は言い回しがイタリア語より少ないから、イタリア語で話せて嬉しい」的なことも言われましたし。 私はローマに住んでからイタリア語を学びだしたため、過去形が五種類もあって、文法法則も動詞活用も例外や細かいルールがあると知らず、かつ動詞がひとつにつき数十通りも活用変化するなんて知る由もなく軽く絶望しました(笑)。でも、発音と言い回しの多さ、語尾変化がパズルっぽいというか言葉遊びみたいに感じられたことでイタリア語が好きになりました。 イタリア語は綺麗な韻の踏み方もわりと容易に身につくし、発音も日本語に酷似しているのでその点だけは楽だったし(英語は発音記号が別にあるため)。そして、個人的に英語が受付けられなかった理由は、発音と言い回しの少なさにあったこともイタリア語を学んで知りました。 なので、私のように英語が大嫌いな人でも、他言語ならば頭に入ってきやすいということもあるのだと思います……自分にあう言語が探せていないだけで。欧州型言語を学ぶ全般的な利点としては、一度欧州型言語の仕組みを身につけると、他言語で書かれている文でも、ここが動詞だな、この単語はこういうニュアンスだろうなーとかうっすら推測できるようになり抵抗感が薄れることです(欧州の似た言語同士にかぎりますが)。 冷静に考えなくても、英語のほうが単語量も少なく文法の仕組みもわかりやすくて絶対楽なのは間違いありませんよ(笑)。でも、イタリア語等、非英語圏の欧州言語を学ぶと他の欧州言語をスライド式に学びやすいと感じるんですね。これはフランス語やスペイン語を最初に学んでイタリア語へ……という逆パターンにも通じます。 ただ、英語→他欧州言語の習得はけっこう大変みたい。というのも、語学学校に通っていたとき、英語圏の生徒さんたちがイタリア語で意外にも苦労していたんです。質問タイムでもすぐ英語を使っちゃうから学内英語禁止令が出たほどで(笑)。 わりと合理的な言語である英語が一番に身につくと、イタリア語の表現法(沢山ある言い回しや形容詞、動詞の変化があること)を覚えるのが大変になるらしく。日本人で英語が達者な方もイタリア語を習得するのは大変そうでした。英語を先に学ぶと、英語でもういいじゃん世界の言語だし!って無意識の心理が働くからダメかもしれん、と思ったものです。 逆をいえば、イタリア語より日本語こそ文法の法則があってないようなものなので、外国の方が日本語を習得するのは大変だと思います。特に日本語は表現方法が自由すぎるんですよね。述語・主語・目的語の並べ替えをごちゃごちゃにしてもある程度意味通じるし(英語もイタリア語も基本通じません。文法の法則に従わないとダメです)、日本語は簡単に略語もつくっちゃうし(イタリア語は略できないので、名詞・形容詞がすごく長いのは普通です)。 自由度が高い言語は、外国人が学ぶときには不親切(笑)。だから、わりと簡潔で合理的な英語が万国共通の言語になったのでしょう(でも、だからこそ私は英語の詩人は偉大だなあと思うわけです)。 イタリア語は英語より複雑なぶん、表現の仕方に自由がきく、という日本語と似た点があるので……『言い回しの多さ』を逆に楽しめるようになれれば、勉強も面白くなってくるのではないかと思います。まずはちっちゃなフレーズからコツコツと。イタリア語にかぎらずややこしい言語を学んでいる方は、めげずにがんばってください!陰ながら応援しています!!(写真はコロッセオの通りです。) ☆★☆ブログランキング・WEB拍手に参加中です。ポチッとご協力お願い申し上げます☆★☆
by gosuiro
| 2017-04-07 23:36
| イタリア的雑記
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